2020年4月27日   STAY HOME
自宅ライフスタイルのススメ

醜いウォーター・ボトル|写真家 Ryan Tartarと父の日

“is parenting(親業)”とGoogle検索すると、あなたのほしい答えは簡単に見つかる。「親は大変か?」という問いは多くの人々の抱く疑問で、その気持ちは理解できる。もちろん、親になることはその人の人生にとって、最も多くを得られる経験のひとつ――これまでに学んできた全ての教訓を自分のミニチュアともいえる子に伝える機会――だが、ハラハラさせられる経験でもある。

今年の父の日のためテイラー スティッチは、驚異的なサーファーでフォトグラファー(テイラー スティッチの素晴らしい写真を撮っている)、そして自身も父親であるRyan Tatar に話を聞いた。話題はバランスの保ち方、息子のMasonとのお気に入りの過ごし方、理想の父の日について。さて、親になるのは大変なことだろうか? まあ、とにかく、彼からこんな話を聞くのはとても楽しいはず。

——息子さんとのお気に入りの過ごし方は?

スバル(別名 Dune Buggy)に飛び乗ってMt. Tam(*タマルパイス山)の頂上まで、トラブルを求めてひとっ走りすること。日が沈む頃、帰りにIn-N-OutやSuper Duperといったバーガー店に寄る。僕たちの靴が砂でいっぱいになっているか、一日過ごしてズボンが汚れたことを確認するためにね。

——父親になることの好きな部分は?

息子は4歳で、彼の一日のハイライトのひとつが僕が仕事から帰ってきた時。僕に最高の笑顔をくれて、ドアまで飛んできて盛大にハグしてくれる。すると、すぐに僕とマグナタイル(*子ども向けのおもちゃ)で宇宙船を作ったり、プロレスごっこしたがるんだ。ただカウチに座っているだけのこともある。毎日だ。こんな時間に数えきれない笑いや笑顔があって、そういうのが最高なんだ。この小さな人間——ある意味では自分のミニチュア版——に自分がとても愛情を感じると気付くのは、単純にクールなことだ。父親が彼のためにそこに存在する時、そして彼と過ごす時、自分にはこんなにも強い力と責任があることを気付かせてくれる。そんな日々のことを彼はきっと、大人になっても覚えていてくれると思う。

——親になって変わったことは? 仕事に影響はあった?

以前と同じように目標を持った、同じ人間だと感じている。今までのような時間の使い方はできないが、やり遂げるつもりだ。友達と出掛ける、撮影した素材のプリントやアートに取り組む、そういった自分だけの時間を持つことは僕の世界の外側へ行ってしまった。より効率的に動けば、生産性のレベルを保てる——焦点を絞ってね。燃え尽きてしまわないためには、完璧を求めすぎないこと。以前は毎週火曜日に友人とビールを飲んでいて、水曜の仕事後はサーフィン、木曜日はオフィスで遅くまで残業して、それでも金曜の夜にはデートの後でも次の展示に向けて準備する元気が残っていたよ。でも今では、仕事後のアクティビティのうち1つできるかってところ。結局、一番大切なことを最優先にして、残りは気にしないことなんだよ。もっとも、息子と出掛けることが他の何よりも楽しいんだけどね。

——「父親」について最も驚いたことは?

自分が父親であることを、どれほど楽しんでいるか気付いたこと。最初の半年はちょっとひどかったけど、息子が笑顔を見せるようになって個性が出てきたら、ますます彼に夢中になった。僕の優先順位は本当に変わったよ——でもそういうのはある意味、与えられた——だけど撮影やメインの仕事以外のプロジェクトに時間を使う代わりに、アウターサンセット(*サンフランシスコ市、オーシャンビーチを擁する西海岸沿いの地区)の砂丘を転げまわることの方がよっぽど面白いと思うようになるなんて、予想もしてなかった。

——これから父親として行うことのうち、最も重要なマイルストーンは?

正直、息子にはずっと今の歳のままでいてほしいよ(笑) ひとつ選ぶとしたら、独りよがりだけど、息子にサーフィンしているところを見せたいね。僕の人生を通して非常に意味深いものだから。創造性、クリエイティビティ、精神性……サーフィンはまさにその中心で、だからこそ信じられないほど楽しい。願わくば彼とこれを共有したいね、たまにその時のことを空想してみるんだ、夜のカウェルビーチ(*サンタクルーズのサーフスポット)か、ワイキキとか休暇で旅するどこかかな。

 

——父親と自分自身の人生のバランスのとり方で苦しむことは?

あー、まあそう……最初の1年はとても苦しかった、つまり、常に努力なんだ。最優先にすることを決めなきゃいけないし、頭ではその優先順位に満足する。でないと、不安に押しつぶされてしまう。理解あるパートナーと協力的な関係を築くこと、ちょっとした柔軟さを持つことでうまくいくだろう。キャリアと子育ての両方を諦めるなんてしてほしくない。とはいえ、僕は常に息子を最優先にしているけど。

——自身が父親からしてもらったことのうちで、取り入れたテクニックはある?

父はただクールで、とても面白い人。父が家にいるとき、忙しくてボール遊びや僕と過ごす時間がないと言われた記憶はないよ。彼はどんな分野のことでも、いつも良いアドバイスをくれた。息子には同じようにしたい。

——自身のお父さんの時代になかった苦労が、2020年の父親にあると思う?

サンフランシスコは生活にとてもお金がかかる街になったので、ベッドルーム1つのアパートに住むこと。何とかやっているけど。僕の父も職を転々としなきゃいけなかった……パソコンはデスクトップで、携帯なんてなかった時代のこと。テクノロジーは僕たちの暮らしを便利にしたけど、それはデジタルという名の足枷でもある。

 

——これまでに受け取った父の日のギフトで忘れられない贈り物は?

えっと、息子はまだ4歳だから、よく妻がギフト選びを手伝うんだ。でも去年の父の日に最高のギフトを受け取ったよ。ちょっと説明がいるんだけどね。僕は普段、たくさんの水を飲む。常にMiiR(*ボトルなどのブランド、商品代が途上国の水質向上プロジェクトなどにあてられ、購入者はコードで代金の使い道を追跡できる)の42オンスボトルを持ち歩くことを、妻にからかわれるんだ。ある日、息子の保育園で先生たちが、園に寄付されたたくさんの物の中からランダムに選んで、そこから子どもたちに父の日のプレゼントを「買い物」させたんだ。たぶん、息子が選んだものが一番醜かったよ。でもそれは最も驚くべき物だった。彼は僕に水を入れるボトルを選んだんだ。本当に驚いたよ、当時まだ3歳だったからね。僕が毎日水ばかり飲んでいると気付く観察力に感動すら覚えたよ。

——理想の父の日は?

8:30までよく寝て、起きたらCoffee Collectiveのコーヒーを淹れて、ゆっくり、ゆったりした朝を過ごす。それから家族で山へハイキングに行く。たぶん帰り道にはFish in Sausalitoとか、サンセットのHook Fish Co. なんかで軽く食べるね。晴れて暖かい日になれば、まちがいなく秘密の水辺で太陽を楽しむ。みんなが楽しんでくれるなら、お気に入りのサーフスポットで何本か乗りたいね。

——これから父親になる人にアドバイスはある? 自分が親になって、早く知ってたらな、と思ったこととか

親になると、いろんな方向に意識が向いてしまうから、早めに自分の目指すゴールを定めること。パートナーも自身の方向を決められるよう、サポートする努力をする。ちょっとした「自分の時間」で、週1で午後サーフィンするとか、何か好きなことができれば、自分に投げかけられる親としての全てのことに、本当に夢中になって参加できる。それから、今この惑星には70億の人がいることを忘れちゃいけない……そんなにもたくさんの人々が子育てしたのだとしたら、君にも同じことができるはずだから。