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さらなる可能性を求めて。日本チャンピオンの新たな挑戦

テイラー・スティッチのスピリットは、どこまでも“本物”を追求すること。そのために“こだわり”と“情熱”は決していとわない。
さまざまなフィールドには、同じ志を持って活躍する男たちがいる。彼らを突き動かす原動力は? そして、何を求めているのか?
ここでは気になるひとりをピックアップして、その思いを2回に分けて語ってもらう。きっと、そこにはテイラー・スティッチとつながる何かがあるはずだ。
第1回目は、バイクトライアルの日本チャンピオン、西窪友海さんだ。

新しいバイクカルチャーを作りたい

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お気に入りのシャツ「メカニック」を着て、インタビューに応える西窪さん

——バイクトライアルとは、どのような競技ですか?

もともとはオートバイの競技であるトライアルから派生した自転車のレースで、かつ自然の中で行うのが「バイクトライアル」です。そして、さらに街中で乗り始めるようになったトライアルが「ストリートトライアル」です。僕も始めた当初は、バイクトライアルでレースにも出ていたんですけど、今はストリートトライアルに重きを置いています。

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自然と街、シームレスに自転車を楽しむ。「トライアルは自分との戦い。そこが楽しい」

——バイクトライアルを始めたきっかけは?

もともと親父がオートバイのモトクロスをしていまして、その影響で僕も4歳からオートバイに乗り始めました。レースに出るというよりは、週末になったら山に乗りに行く感じで、ずっと親父の後を追いかけていました。当然、親父が休みの日以外はバイクに乗れないので、代わりにマウンテンバイクに乗るようになりました。実家が奈良の田舎の方なので、裏山にジャンプ台をつくったりして、オートバイの真似ごとをしていました。学校が終わったら誰よりも真っ先にダッシュで帰って、自転車に乗って山に行くみたいなことをずっとしていましたね。どんどんハマって激しいことをするようになったのですが、自転車が安物だったから、ハンドルが折れたりホイールが曲がったり... ...。親父がこれは危ないと思って、「お前が本気でやりたいのなら、専用の自転車買ってあげる。どうする?」と。僕は「やりたい」と。で、父親がもっともお気に入りのバイクを売って、そのお金で当時25万円ぐらいする一番いい自転車を買ってくれたんです。小学6年生のとき、それがトライアル生活の始まりです。

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バイクトライアルのレースのほかにも、ショーでも活躍 (C) Naoki Morita

——なぜ自然からストリートに?

今世界的にストリートトライアルがブームになっています。ダニー・マカスキルというライダーがいるんですが、彼がきっかけですね。もともと専用の自転車すらなかったんですが、ダニーが自ら改良してつくって、だんだんとカルチャーが生まれてきました。僕もこのストリートトライアルに乗り始めたのが、ここ3年くらいですね。いろんな理由がありますが、ひとつは気軽に乗れること。バイクトライアルのバイクは軽量化のためにサドルもなくて立ち漕ぎ。気合を入れないと乗れない。ですが、ストリートトライアルは、普段着でそのまま街に繰り出して、友達とゆったりクルージングしながら乗れるというのが魅力。それとトライアルは障害物を乗り越えていくことが競技の基本なんですが、ストリートトライアルに関しては、障害物を乗り越えるだけではなくて、そこにクリエイティブな技を入れます。ライダーのクリエイティビティが試されるので、そこに足を新しく踏み入れてみたいと思ったのが一番大きな理由ですね。

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自分で映像をつくり、YouTubeなどで世界に発信している (C) Naoki Morita

——ストリートトライアルもバイクトライアルも同じトライアル。その魅力とは?

自転車競技ということ、ロードレースにしてもモトクロスにしても、人と競うのが主流です。ですが、トライアルは人と競うものじゃないんですよね。今まで登れていない所に登れたとか、今までできなかった技ができたとか、人と争うのではなくて自分との闘いなんです。自分の日々の成長を自分の目で見ることができる。人と争うより、自分との戦い。そこが僕は楽しいし、魅力に感じるんです。

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2016年、悲願の日本チャンピオンに輝いた。2017年も2年続けて日本一に

——ストリートトライアルは、まだ新しいカルチャー。

はい。ここ10年くらいですね。僕はストリートトライアルがない時からトライアルを始めていたので、カルチャーの変遷をいい時期から見られている。まだ新しい世界なので、僕が一つ新しい技をすれば、それが一つのカルチャーになる。SNSで発信すれば、その世界を動かせるほど、可能性がある。野球やサッカーなど、メジャースポーツだとルールにしかりすべてができ上がってしまっている。自分ひとりで変えるというのは難しい。このストリートトライアルはまだひとりで変えられるカルチャーなんです。新しいことができる、そこが大きな魅力なんです。

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ストリートトライアルの魅力は普段着で乗れること。「テイラー・スティッチは丈夫なのでぴったりです」

PROFILE

TOMOMI NISHIKUBO

西窪友海
トライアルライダー

1992年生まれ。2013年、バイクトライアル日本代表として世界大会に参戦。2016年、国内最高峰であるエリート26クラスにおいて優勝を果たす。2017年も連続でチャンピオンに。日本人離れの長身を生かしたトップクラスのジャンプ力が武器。現在はレースだけではなく、ショーやYouTubeで活動の幅を広げている。

http://www.tomotrial.com/
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