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vol.18

TAKA YASHIRO

眠っているハーレーに再び命を吹き込む

テイラー スティッチのスピリットは、どこまでも“本物”を追求すること。そのために“こだわり”と“情熱”はいとわない。
さまざまなフィールドには、同じ志を持って活躍する男達がいる。彼らを突き動かす原動力は? そして、何を求めているのか?
ここでは気になる一人をピックアップして、その思いを2回に分けて語ってもらう。きっと、そこにはテイラー スティッチとつながる何かがあるはず。
今回登場するのは、 ビンテージ・ハーレーダヴィッドソンのスペシャルショップ「BLUE GROOVE(ブルーグルーヴ)」代表のTAKAさんだ。

ビンテージ・ハーレーを通じて夢を届けたい

アメ車の人気ピックアップ、シボレー・エルカミーノとともに自宅前にて

——そもそもハーレーに興味を持ったきっかけは?

音楽一家だったこともあり、ブルースやR&B、JAZZ等のアメリカンルーツ音楽やビートルズ等の音が自然に耳に入ってくる環境で育ちました。13歳でギターを弾き始め17歳のころには都内のブルーズクラブで大人達に混ざり演奏をしてギャラももらっていました。そのクラブやそこに集うミュージシャンや人々の空気感がすごく好きだった。ある日そのクラブに古いハーレーに乗ってくる人がいて、目の前で初めてキックを踏み降ろしエンジンを掛ける姿をまじまじと見た時にはピンとくるものがあったんです。アメリカの音に既に親しんでいたせいか、憧れもあり自然な流れですかね。ハーレーに初めて乗ったのは19才でした。

 

かつてショップがあった鎌倉・七里ガ浜の海を見下ろす道をバックに

——それが今の仕事につながっている。

好きなことが一つあれば、それをとことん突き詰める。もうそれだけで生きていけることを早い段階で音楽やハーレーの世界から学んだ。それに情熱と信念さえ持って本気で取り組めば必ず道は拓ける。それを見つけられた自分はラッキーだと思います。特に僕よりももっと若いこれからの世代の方々にもそういうものを持ってほしいし…、必ず持てるものですからね。僕の場合はそれがたまたまハーレーと音楽だったということですね。

——仕事のやりがいは?

お客さんに夢を届けることです。ほとんどの日本人はアメリカ大陸を旅してバイクを探すことなんてできないから、僕が代わりにそれをやる。アメリカ人でさえ「いつか大陸を横断することが夢だ」と僕に言う。僕らはもちろん古いハーレーを修理し販売しているわけですが、本当はお客さんに夢を買ってもらっているんです。その対価をいただいている。ちょっと大袈裟な言い方かもしれないですけど、「生き方」を見せることが僕の仕事であるとも思うんです。それで何か勇気を与えられたら。

お気に入りの1台、1947年ハーレー・ナックルヘッドとともに

——新しいプロジェクトは何かありますか?

アメリカに行くたびに同じパッションを持った友人や仲間が増え、コミュニティはよりタイトにそして広がっていくので、このビンテージ・ハーレーのバイヤー仕事はいつまでもリタイヤできそうにありません。現在はアメリカで新たに発掘した世界的に価値のある車両を、日本のみならず世界の相応しい新たなオーナーの元へ届ける仕事がアメリカサイドと一緒にスタートしそうです。
鎌倉のブルーグルーヴのショップには世界中から人が集まりますので、外国人向けのハーレーのレンタルや、鎌倉のローカルスポットから箱根辺りまでのランチを挟んだ1dayのバイクツアーや、宿泊やイベントが行えるスポットやコミュニティの環境整備等、先ほど話した'夢を届ける仕事'から得たことを、より体験型のサービスに転換できればと考えています。ビンテージ・ハーレーを通じて得られた人生の時間は僕の財産です。これからは、それを少しでも世界中の同じバイブを持った皆さんと共有できればと思っています。

 

——それは楽しみですね。TAKAさん自身の夢は?

夢は常に持っています。ゴールは自分達の次の世代に何が残せるか。バイクも音楽もそうですけど、カルチャーを次の世代に継承できた時、それが初めて成功したと言えると思うんですよ。例えば50年も持っていたバイクを自分に売ってくれるわけですよ。その人は1960年代のベトナム戦争の終わりぐらいに、ベトナムから帰って来て手に入れた。その後、75歳くらいになって、誰にも売らなかったバイクを僕に譲ってくれる。それを引き継いだからには、僕はキッチリと直さなければいけない義務がある。何十年後に次の人が分解すれば、僕らがどんな仕事をしたのかわかりますからね、こうやってビンテージハーレーというのは人間より長生きしていくわけですよ。

ブルーグルーヴのガレージには、歴代のハーレー・ダビッドソンの名車がずらりと並ぶ

——最後にテイラー スティッチについてお聞かせ下さい。愛着していただいていますが、 好きな理由は?

僕はベイエリア(サンフランシスコ湾の湾岸地域)が大好きなんです。ずっとアメリカ中を旅してきましたが、街に“空気”がある所が好きなんです。つまりキャラクターやスタイルがある街ですね。ベイエリアは今でもいいバイブを忘れていなくて、すごくカルチャーがある。音楽もそうだし、バイクも未だにチョッパーというカスタムされたハーレーの文化が根強く残っている。ベイエリア生まれのテイラー スティッチにも同じバイブを感じます。例えば、僕らはジーンズをすごくハードに履く。バイクの整備をする時は常にヒザをついているからすぐに穴が空いてしまうし、オイルで真っ黒にもなる。ただ僕らのそんな使い方にもすんなりと馴染んでくれるテイラー スティッチのプロダクトは繊細でありながら武骨さも持ち合わせている。そこにモノづくりに対するフィロソフィーやベイエリアカルチャーまでをも感じ取ることができる。僕は使い捨ての物より、修理しながらでも長く自分の人生とともに歩める物を傍に置いておきたい。テイラー スティッチにはそんな魅力を感じています。

鎌倉の134号線はカリフォルニアのハイウェイ1と並び大好きなライディングルート

PROFILE

TAKA YASHIRO

矢代貴充
BLUE GROOVE代表

1977年生まれ。神奈川県・横浜出身。2002年、ビンテージ・ハーレーダヴィッドソンのスペシャルショップ「ブルーグルーブ」を鎌倉にオープンさせた。半世紀以上も前のハーレーを丁寧にリビルド、レストアするクラフトマンシップに、日本はもとより海外からも高い評価を受ける。また、ブルーズギタリストとしても活躍し、ライブ演奏も行う。

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