特別編:テイラーズ・ミート開催!
テイラー スティッチのスピリットは、どこまでも“本物”を追求すること。そのために“こだわり”と“情熱”はいとわない。
さまざまなフィールドには、同じ志を持って活躍する男達がいる。彼らを突き動かす原動力は? そして、何を求めているのか?
今回はこれまでTAYLOR'S CONNECTに登場していただいた3人に集まっていただき思いを語ってもらった。
メンバーはトライアルバイクの元日本チャンピオン西窪友海さん、企業アスリート・サーファーの石川拳大さん、サーフライダーファウンデーション・ジャパン代表の中川淳さん。
さあ、テイラーズ・ミートの開催だ。
山も海もつながっている。自然に遊ばせてもらっているから、恩返しをしたい
——今回はお時間をいただき、ありがとうございます。テイラー スティッチに馴染みのある三人に、お互いに語り合っていただければと思います。初めて会う方もいますので、まずは自己紹介を。
中川:国際環境NGO「SURFRIDER FOUNDATION JAPAN(サーフライダーファウンデーション・ジャパン)」の代表理事を務めています、中川淳です。世界23か国で海岸環境の保護を目的として活動しています。僕達サーファーが中心になって、海の水質汚染やゴミ問題、温暖化で水面が上がって砂浜が減ったりという問題などに対して活動をしています。
西窪:プロのトライアルライダーの西窪友海です。2016年と2017年の全日本チャンピオンを獲り、今は自然の中で行うトライアルから、ストリートトライアルにしています。主にYouTubeで映像を公開したり、ショーで活動しています。
石川:サーファーの石川拳大です。出身は湘南の茅ヶ崎で、東京の情報通信会社で働きながら、社会人アスリートとして世界のコンテストに参戦しています。また、サーフライダーファウンデーション・ジャパンの事務局長もしています。

2年連続日本一に輝いたトライアルライダーの西窪友海さん。現在はムービーをネット配信して、トライアルバイクの魅力を広めている
西窪:サーフライダーファウンデーションは、具体的には、どのような活動をされているのですか。
中川:温暖化は、何とも難しいところです。だけど、ゴミ問題は、サーファーが海で遊んだら、サーフボードを持っている反対側の手で、目の前にゴミがあったら拾えるだけ拾って、自分で持ち帰ろう、という「ワンハンド・ビーチクリーン」という活動を推進しています。海への恩返しだよ、と。また、行政とも協力して、老朽化した下水処理施設の改善などいろいろと成果を挙げていますよ。
石川:僕は子供達や学生に向けて、「海の寺子屋」というコミュニティづくりをしています。一緒にビーチクリーンをして持ち帰ったゴミを「どういうゴミが落ちていた」とか振り返りながら、楽しく環境を学んでいく「プラゴミアート」というイベントをやっています。

プロサーファーという道をあえて選ばずに、企業アスリートとしてコンペティションサーファーの新しいキャリアモデルをつくりあげている石川拳大さん
西窪:いろいろなことをやられているんですね。昔に比べてビーチも奇麗になってきているんですか?
中川:はい。かなりなっていますね。
西窪:おっ、マジですか。
中川:自分がサーフィンを始めた80年代のころの方が、ひどかったですね。もう、海がゴミ箱みたいな。まあ僕らサーファーも、それほど気にしていなかったし、世間一般も海にゴミが落ちていることに対して、ほぼ全く興味がなかったですからね。「海はゴミが落ちていて当たり前だ」みたいな時代から始まって、今は「ゴミを出さないためにはどうしたらいいだろうか」という取り組みが、この数年で社会全体がムーブメントとして動き出したので、とてもよい方向に行っているんですね。

中川淳さんは、サーフライダーファウンデーション・ジャパンの代表理事として、サーファーというピュアな視点で海の環境問題の改善に尽力
石川:西窪さんのストリートトライアルという競技は、あまり自然とは縁がない?
西窪:いや、それがですね、めちゃくちゃ自然と触れ合っていて。というのも、半年に1本ぐらい大きなプロジェクトで映像を作っていっているんですけど、今回はまさに山を舞台にした映像で。敢えてストリートに特化したバイクで、山で乗っているんですよね。だから、もうかれこれ半年間ぐらい千葉の山にこもって撮影して…。映像の中では海のシーンも出てきますよ。
石川:トライアルバイクの業界の中にも、環境保護団体はあるんですか?
西窪:団体自体はないんですけど、やっぱり僕らも自然に遊ばせてもらっているので、そういう意識は皆、割とあって。ゴミを持ち帰るのもそうですけど、例えば自転車で乗るとどうしても環境は変わってしまうので、むやみやたらにどこでも乗り入れたりはせずに、乗る場所と乗らない場所をしっかり区切ったりとか…。あとは乗らなくなった場所は自然に還れるように、木を植えたりとか、そういう活動はしています。自然がないと僕ら、遊べないので。

今回、3人が着ている「RE STITCH(リ・スティッチ )」はテイラー スティッチの新ライン
石川:僕は大学4年生の時に、卒業制作で『OCEANTREE』という映画を作ったんです。そのテーマが、実はサーフボードのルーツは自然から生まれていて、元々、一枚の板でサーファーは波乗りをしていて、「アライア」と言うんですけど。そこから「山と海がつながっているんだ」ということをいろいろ勉強し始めたら、結局、海にあるゴミは、山、川、街から7、8割は来ている、ということがわかったんです。だから、究極を言ったら一番初めとなる「山から見ていかないと、何も環境って変わっていかないよね」となる。ゴミだけではなくて、海岸の浸食も山が関係してくることだったりもするので、全部循環としてつながっています。
西窪:やはり、サーファーは意識が高いですね。僕らは競技の協会はあるんですけど、サーフライダーファウンデーションのような「そのフィールドを保護しよう」とか「よりよくしよう」みたいなところまでいけていないのが正直なところで…。
中川:まあ、僕らサーファーの場合は、砂浜が減ると波が悪くなってしまうし、海が汚れていると気持ちよくなかったりする。水質が悪いと、粘膜が接触するので副鼻腔炎などの病気になる心配があるから、切実なんですよね。かつ、その変化に敏感だから、何とかしないととなる。毎日海を見ているのって、漁師さんかサーファーだと思うんですよね。漁師さんはどちらかというと魚を獲ることだけが目的なんだけど、僕達はもっと密接に波と戯れる。それに利害がないから、純粋なんですよ。利害関係がないからピュアな意見が言えるんです。
西窪:うん、それは確かにそうですね。僕らはやはり自転車の上からしか、山とかに触れないので…。同じゴミでも、もっと近くで見たら、間違いなく感じるものが違いますよね。

活動するフィールドは異なれど、思いや考えは相通じる3人。言葉を交わすごとに、仲が深まっていった
——ありがとうございます。後編では、自転車のことテイラー スティッチについて話をお聞きできればと思います。
PROFILE
TOMOMI NISHIKUBO
西窪友海
トライアルライダー
1992年生まれ。2013年、バイクトライアル日本代表として世界大会に参戦。2016年、国内最高峰であるエリート26クラスにおいて優勝を果たす。2017年も連続でチャンピオンに。日本人離れの長身を生かしたトップクラスのジャンプ力が武器。現在はレースだけではなく、ショーやYouTubeで活動の幅を広げている。
PROFILE
KENTA ISHIKAWA
石川拳大
サーファー(企業アスリート)
1994年生まれ、茅ヶ崎市在住。4歳からサーフィンを始める。中学生で世界大会に参戦。高校時代はオーストラリア、ゴールドコーストに留学。帰国後は神奈川大学に進学。サーフィンサークルを立ち上げ、全日本大会で2年連続優勝を飾る。2017年、東京五輪の日本代表強化指定選手に選出。現在は日本情報通信の企業アスリートとして、会社勤めをしながら海外を転戦している。
PROFILE
ATSUSHI NAKAGAWA
中川淳
SURFRIDER FOUNDATION JAPAN(サーフライダーファウンデーション・ジャパン)代表理事
1965年横浜生まれ。2015年、国際環境NGO 「SURFRIDER FOUNDATION JAPAN(サーフライダーファウンデーション・ジャパン)」の代表理事に就任。以後、湘南・藤沢市をベースに海の環境保護活動を推進する。
surfers (逗子)
surfers.jp/